1号文書の1:不動産、鉱業権、無体財産権、船舶/航空機/営業の譲渡に関する契約書|印紙税Q&Aサイト



1号文書の1:不動産、鉱業権、無体財産権、船舶/航空機/営業の譲渡に関する契約書

印紙,税,実務

主な文書:

不動産売買契約書、不動産売渡証書、共有不動産の持分の譲渡契約書、立木売買契約書、不動産売買価格協定書、不動産交換契約書、不動産売買契約変更契約書、鉱業権譲渡契約書、著作権譲渡契約書、船舶売買契約書、営業譲渡契約書


 

用語説明:

1 不動産の意義

  1. 民法86条に定められているもの
  2. 工場抵当法9条によって登記された工場財団
  3. 鉱業抵当法3条によって登記された鉱業財団
  4. 漁業財団抵当法6条によって登記された漁業財団
  5. 港湾運送事業法26条によって登記された港湾運送事業財団
  6. 道路交通事業抵当法6条によって登記された道路交通事業財団
  7. 観光施設財団抵当法7条によって登記された観光施設財団
  8. 立木ニ関スル法律によって登記された立木(立木としてでなく、伐採して木材等として譲渡することが明らかならば、物品としての取り扱い)
  9. 鉄道抵当法28条によって登記された鉄道財団
  10. 軌道ノ抵当ニ関スル法律1条によって登記された軌道財団
  11. 自動車交通事業法38条によって登記された自動車交通事業財団

2 鉱業権


鉱業権5条に規定されたもので、かつ同法59条によって登記されたものに限られます。


3 特許権


特許法66条によって登録された権利のこと。


(注)発明に関する特許を受ける権利(出願権)の譲渡を約束する文書は、課税文書にはなりません。


4 実用新案権


実用新案法14条によって登録された権利を指します。


5 商標権


商標法18条によって登録された権利を指します。


6 意匠権


意匠法20条によって登録された権利を指します。


7 回路配置利用権


半導体集積回路の回路配置に関する法律3条によって登録された権利を指します。


8 育成者権


種苗法19条「育成者権の発生及び存続期間」によって登録された権利を指します。


9 商号


商法11条及び会社法6条に規定する名称のことです。


10 著作権


著作権法に基づき、著作者の著作物に対して有する知的財産権の一種です。


11 船舶


船舶法5条にある、船舶原簿に登録している総トン数20トン以上の船舶及びこれに類する害極咳の船のことで、それ以外の船舶は物品となります。


なお、小型船舶の登録等に関する法律3条で定められている小型船舶登録原簿に登録している総トン数20トン未満の小型船舶も物品扱いです。


12航空機


航空法2条で定められている航空機をいい、同法3条による登録の有無は関係ありません。


13 営業の譲渡


営業の譲渡とは、営業活動での動産、不動産、債権、債務等の一体的権利、財産の譲渡であり、一部のみの譲渡も含まれます。


(注)営業譲渡契約書の記載金額は、動産及び不動産の個々の金額ではなく、その営業を譲る対価として支払われるべき金額のことです。


14 譲渡に関する契約書


資産や権利などの財産を、その同一性を保ったまま他人に移すことを「譲渡」といい、対価を受けるかどうかは問われません。


したがって、権利または財産等を同一性保持のまま他人に移す内容の契約書は全て「譲渡に関する契約書」となります。


例えば、売買契約書、交換契約書、贈与契約書、代物弁済契約書、法人等に対する現物出資契約書、寄付行為書、そのた競売、公売、物納等で作成される契約書なども該当します。

第1号の1文書に関する取り扱い

1 不動産とその付属物を譲渡する場合の記載金額


不動産とその付属物の譲渡契約書で、それぞれ区分した価格が書かれている第1号の1文書の記載金額は、次のような取り扱いとなります。

  • 当該付属物が当該不動産に対し、(民法87条の規定による)従物の関係にある場合 区分されている金額の合計額が記載金額
  • 当該付属物が当該不動産の従物ではない場合 不動産にかかる金額のみ記載金額。
  • 当該付属物にかかる金額は含まれない

売買価格が当該不動産の解体で生ずる素材価格相当またはそれ以下であるなど、構成素材の売買を内容としているのが明らかなものについては、課税文書に該当しません。


3 不動産の売渡証書


不動産の売買について、双方が売買契約書を作り、その後登記にて作る売渡証書は、第1号の1文書となります。この場合の売渡文書に記載される登録免許税の課税標準確たる評価額は、当該文書に記載金額にはあたりません。


4 請負によって完成した不動産等の引渡証


「下記物件を本日引き渡します」などと記した文書は、請負に基づき完成した目的物の引渡を一歩的に通知するもので、契約成立の証明にはなりませんから、課税文書にはなりません。


5 立ち退き承諾書等


都市計画事業としての工事施工のため、一定の保証金をもらって立ち退きを承諾する内容である「立ち退き承諾書」及び一定の保証金で他への移転を承諾する内容の「物件移転承諾書」は課税文書にはなりません。


6 不動産と動産との交換


交換契約書は第1号の1文書となり、記載金額は次のような取り扱いとなります。

  • 交換にかかる不動産の価格が記載されている(動産の価格と交換差金が記載されている等、不動産の価格が計算できる場合を含む)⇒当該不動産の価格
  • 交換差金のみの記載で、当該交換差金が動産提供者によって支払われる場合⇒当該交換差金

上記2つ以外の場合 記載金額なし


7 抵当権設定証書


抵当権設定証書と称するもので、抵当権設定に関する事項の他に、担保物件を代物弁済として取得旨の記載がある文書は、弁済手段の方法の1つとして担保物件を債務者から債権者に譲渡することを予約したものですから、第1号の1文書にあたります。


8 根抵当権設定契約及び代物弁済契約書


根抵当権の設定契約と同時に代物弁済の契約をした場合の文書は、第1号の1文書となり、記載金額は次のようになります。

  • 「時価評価額をもって代物弁済する」と記載⇒記載金額なし
  • 「元本極度額金○○円をもって代物弁済する」と記載⇒記載された元本極度額
  • 「代物弁済する」とだけの記載⇒記載金額なし

9 不動産の買戻し約款付売買契約書


消費貸借契約などの締約時、不動産を担保にするための譲渡担保契約として利用されるもので、当該不動産を貸主たるべきものに一旦譲り、借主がその債務を履行したらその所有権を債務者に戻すことを内容としています。

その内容には、

  • 当初不動産の売買契約
  • 買い戻しできる旨の契約
  • 買戻し不動産の賃貸借契約等

からなっており、買戻しの形態として

  • 民法579条に規定する買戻し契約(当初の売買契約を解除する方法)
  • 当該不動産の栽培場によるもの

とがあり、いずれも第1号の1文書となります。


買い戻しが再売買の予約方法にあるものは、当該不動産の売買にかかる契約金額と再売買の予約にかかる契約金額との合計が記載金額となります。


買い戻しが民法579条に規定する売買解除によるものである場合は、記載金額は当該不動産の売買にかかる契約金額のみです。


10 共有不動産の持分の譲渡契約書


第1号の1文書として取り扱われます。


11 遺産分割協議書


単に共有財産を各相続人に分割することの約束事を記したものであり、不動産の譲渡を約束したものではありませんから、第1号の1文書にはなりません。


12 損失補償契約書


土地収用法その他の法律による公共事業に伴い、損失を受ける者と起業者または施工者との間で損失補填、補償金等について定める契約書で、損失補填には金銭によるものと代替地を提供するものがあり、それによって印紙税の扱い方が異なります。

  • 損失保証金を交付するもの⇒不課税文書
  • 代替地を提供するもの⇒第1号の1文書

※損失補填金は、所有権やその他の財産権を譲渡することへの対価ではありません。なお、損失補填契約書は公共事項の施行によっての損失補填に限らず、民間において土地や建物からの立ち退き、移転を求める場合などにも作成されることがありますが、その場合も公共事業と同様の取り扱いとなります。


13 示談書、和解証書


当事者間で訴訟にまで拗れることなく解決したい時、内容の証明のために作成されるもので、土地等の不動産の給付をすることとしているものは、第1号の1文書となります。


なお、金銭または不動産以外の物品給付が内容のものは、課税文書にはあたりません。

第1号の1文書の重要事項

不動産等の譲渡に関する変更契約書または補充契約書で、変更または補充する次の事項は課税文書となります。

  • 目的物の内容
  • 契約金額
  • 単価
  • 割引金等の計算または支払方法
  • 契約に添えられる停止または解除条件
  • 目的物の引渡方法または期日
  • 取扱数量
  • 契約金額の支払方法または期日
  • 契約期間
  • 債務不履行の場合の損害賠償方法


関連リンク:

19号文書:消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預かり通帳、金銭の受取通帳などの18号文書以外の通帳

20号文書:判取帳