1号文書の3:消費貸借に関する契約書|印紙税Q&Aサイト



1号文書の3:消費貸借に関する契約書

印紙,税,実務

主な文書:

借用証書、手形貸付約定書、消費貸借契約書、消費貸借変更契約書、借入債務承認及び弁済契約書、限度(極度)貸付契約書、カードローン契約書、建設協力金などの定めがある建物賃貸借契約書、貸付決定通知書


 

用語説明:

1 消費貸借

消費貸借は、民放587条に定められており、同法588条の準消費貸借を含みます。なお、目的物は金銭に限りません。

参考文献です


2 限度(極度)貸付契約書


一定の限度(極度)までの金銭をあらかじめ貸し付ける時に約束した契約書は、第1号の3文書と該当します。

当該契約書の貸付累計額が一定の限度(極度)に達するまで貸し付ける約束になっている場合→当該一定の金額を記載金額とします。


当該契約書が一定金額の範囲内で貸付を繰り返し行うことを約束している場合→直接貸付金額を予約したものではないので、当該の一定金額は記載金額になりません。


3 根質権設定極度貸付契約書


金融機関と債権者、連帯保証人および担保提供者の間で、手形貸付けの方法により一定限度額までの範囲で繰り返し貸付けを行うこと及びそれに伴う担保として提供した物に根質権を設定する内容の契約書は、記載金額のない第1号の3文書にあたります。極度金額は借入最高残額を定めたものであり、貸付予約の最高金額を定めたものではないので、記載金額ではありません。


また、連帯保証人に対する事項は、第13号文書(債務保証に関する契約書)にはあたりません。


4 消費貸借に基づく債務証券及び弁済契約書


消費貸借に基づく既存債務を承認し、その返済期日または返還方法等を約束するものは、第1号の3文書となります。この場合の返還を約束する債務金額は、当該文書に当該債務金額を確定させた契約書が他にあることを明らかにしていると、記載銀額に該当しない扱いになります。


5 物品売買に基づく債務商品及び弁済契約書


物品売買に基づく既存の代金支払債務を認め、支払期日または支払方法を約束する契約書は、物品の譲渡に関する契約書になりますから課税文書にあたらないのですが、債務商品弁済契約書と称するものであっても、代金支払債務が消費貸借の目的である(準消費貸借)は、第1号の3文書にあたり、債務承認金額は当該契約書の記載金額となります。


6 借入金の償還についての確約書


漁業協同組合の組合員が、資金の貸付けを受ける際、借入金の返済を漁業協同組合に販売した漁獲物の代金から天引きする旨を記載して提出する確認書等は、消費貸借金額の返済方法を証明するものですから、第1号の3文書にあたります。


7 借受金受領書


融資を受けた人が、借受金の受領事実を証明して貸付人に交付する文書で、単に当該借受金の受領事実を証明するものは第17号文書とし、当該借受金の受領事実とともに返還期日または変更方法もしくは利率等を記したものは第1号の3文書になります。


8 弁済時に元利金の受取文言を記載して借用証書


証書貸付にかかる元利金の返済があった場合、受領書を作らず返済金と引き換えに借用証書に「領収」「完済」等を記載して戻す時は、新たに第17号の1文書を作ったものとなります。この場合、元金の額と利息の額とが区分して記載されている時は、利息額が第17号の1文書の記載金額となり、未区分または利息を含むかどうか分からない時は、記載された金額の合計が第17号の1文書の記載金額となります。


なお、不正使用の防止等の観点から「無効」「債務消滅」等と書いて戻すものは、課税文書ではありません。


9 貸付決定通知書


金銭の借入申し込みに貸付けを決定し、その旨を書いて交付する文書は、第1号の3文書にあたります。貸付けを実行した際、貸付実行日、貸付金の振込先等を通知するために作成される貸付事項通知書等は、借入申し込みの引受を証明しませんから、課税文書にはなりません。


10 保証人宛に発行する融資決定通知書


住宅ローン保証契約に基づき、銀行で当該消費貸借契約が成立している場合には、債務の保証を自動的にすることを保証会社に発行する融資決定通知書は、借入申し込みの応諾事実の証明より融資決定により発生する保証債務の内容通知のために作成されるものとして、第1号の3文書とはなりません。


11 融資の明細と返済予定等と証する文書


消費契約の成立等を証明する目的で作成されるものでなく、返済日、返済金額等を知らせて借主の返済計画に役立つ目的での作成ですから、課税文書にはなりません。


12 「金融機関借入用」と表示された約束手形


金融機関で金銭を借入れる際、担保として当該金融機関に提供する約束手形で、用紙に「金融機関借入用」と表示し、借入金利息の払込期日を付記したものは、手形の効力は存続されますから第3号文書(約束手形)にあたります。


なお、手形に手形金額の分割払いを条件とすると書いた場合は、手形として無効になります(手形法33条2項及び同法77条1項2号)から、第1号の3文書にあたります。


13 利率変更契約書


既に存在している金銭の消費貸借契約について、適用する利率を変更するための契約書は、記載の金額のない第1号の3文書となり、貸付残高を確認するために元本残額が書いてあっても当該金額が記載金額にはなりません。


なお、既に締結されている変動金利消費貸借契約書に基づき、基準金利の変動により成立した変更後の利率を借入人に通知する「利率変更のお知らせ」は課税文書にはあたりません。


14 借入金利息の支払方法についての承諾書


銀行から資金を借り受けたものが、当該借入金の利息について、銀行に預け入れている当座預金または普通預金口座から小切手、預金払戻請求書等による通常の預金払い戻しでなくとも引き落として良いことを承諾することを記載して当該銀行に提出する文書は、消費貸借契約における利息金額の支払方法を定め、または変更するとともに預金契約における払い出し方法の変更を約束するものですから、第1号の3文書(消費貸借に関する契約書)と第14号文書(金銭の寄託に関する契約書)にあたり、課税物件表の適用に関する通則3のイの規定で第1号の3文書となります。


15 利率変更に関する確認書


貸金業者と借主との間で、既に締結している限度貸付契約の利率を、必要時には両者協議の上で変更できること、その変更の仕事は「利率変更表」にその都度記入して両者が確認印を押すことで証明すること、という事実の証明のために作成する「利率変更に関する確認書」等は、消費貸借契約の重要事項である利率を変更または補充するものではないので、課税文書にはあたりません。


一方で、添付の「利率変更表」は消費貸借契約の重要事項である利率変更に合意した事実を連続して証明するために作られますから、第19号文書(消費貸借に関する通帳)にあたります。


なお、両者が確認印を押すことから両者の共同作成文書となります。


16 総合口座取引約定書


普通預金に残額がない場合、一定金額を限度として預金者の払い戻し請求に応じることを約束したものは、第1号の3文書となります。なお、各種料金等の支払いを預金口座振替によって行うことを委託している場合に、当該各種料金等の支払いについてのみ預金残額を超えて支払うことを約束するものは、課税文書にはあたりません。


17 当座勘定借越約定書


小切手、手形による第三者への債務支払い事務を委託し、併せて残高が不足する場合に立て替え払いを行う内容の文書は、委任契約を内容とするものですから、課税文書にはあたりません。


18 当座借越約定書の借越金利率を変更する念書


当座借越契約に基づく借越金の利息は、立替払契約(委任契約)の費用、報酬にあたるため、この利率を変更する念書は第1号の3文書となります。


19 カードローン契約書


一定の借越極度額を定め、カードを使用して現金自動支払機により貸し出し及び返済を行うこととし、利息の計算方法及び利息の支払期日、方法を定めた契約書は、借入金の貸し出し及びその返済方法等を定めるものですから、第1号の3文書にあたります。


20 カード利用申込書


カードローン契約(消費貸借契約)を結んでいる者が、現金自動支払機で金銭の借り入れを行う申込書で、カード規定または金融機関が提示したカード規定等の各条項を承諾して申し込むものは、自動的に契約成立することから契約書に該当し、その内容は消費貸借契約における目的物の引渡方法を定めていますから、第1号の3文書にあたります。


21 コミットメントライン契約書、借入申込書等


コミットメントライン契約のコミットメントラインとは、銀行融資の一種で金融機関が手数料を徴収することによって、借入人のために一定の融資極度額を設定し、その範囲内で借入人は借り入れを行い、貸付人は貸付を行います。


契約方法としては、

(1)借入人と貸付人が個々にコミットメントライン契約を締結する相対型

(2)1通の契約書により、複数の貸付人が借入人と同条件のコミットメントライン契約を結び、かつ各貸付人がエージェント(代理人として借入人との連絡義務等を行う金融機関)に契約にかかる事務を委託するシンジケート型

があります。


いずれの場合も、融資限度額、借り入れ申込方法、借入金返済方法等を定めた基本契約書に加え、借入人が貸付人に(シンジケート型の場合は、エージェントを経由して)借り入れの意思表示(貸し出しを要請する請求書または借入申込書の提出)を行い、貸付人は基本契約書に定められた貸付実行の条件を満たすことを条件に貸付義務を負担し、貸付けを行うことになっています。


この契約に関して作られる文書にて、印紙税の扱いは次のようになります。

  1. 相対型の場合

    借入人からの申込により融資極度額の範囲内で反復して貸し付ける義務を貸付人が負担することを約束した文書であり、第1号の3文書にあたります。契約書に記載される融資極度額は、実際に行われる貸付金額そのものではありませんから記載銀額とはならず、契約金額が書かれていない契約書という扱いになります。なお、この契約書の事項は、借入人と貸付人との間で継続的に行われるコミットメントライン契約に基づく貸付けにのみ適用されるもので、銀行取引約定書のような一切の債務について適用される履行方法等を定めたものではありませんから、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書、令26条各号に掲げられた文書)にはあたりません。

  2. シンジケート型の場合

    相対型と同様に、借入人からの申し込みにより融資極度額の範囲内で繰り返し貸し付ける義務を貸付人が負うことを約束する文書であり、第1号の3文書にあたります。この契約書は、エージェントとなる金融機関と貸付人である金融機関とで継続的に行われる委託業務についても定めているので、第7号文書にもあたります。そして、消費貸借契約にかかる契約金額の記載がないことから、第7号文書として課税されることになります。

  3. 借入人が借り入れの意思表示を行うために作成する文書

    コミットメントライン契約に基づく請求書または借入申込書には「平成○○年○月○日付で締結された××契約書第△条の規定に従い……本貸付の実行を要請します」といった文章があり、基本契約書では借入人が請求書等を提出したら、貸付人は基本契約書に書いている貸付けの条件を満たすことを条件に貸付義務を負担し、貸付けを行わなければならないと定められていますから、申込金額を記載金額とする第1号の3文書にあたります。なお、貸付人の貸付義務は貸付けの前提条件が満たされていることを条件となりますが、基本契約書に基づく請求書等の提出は、条件付予約完結権の行使であり、個別の貸付けについての前提条件充足を停止条件とする消費貸借契約が自動的に成立します。

22 公正証書作成のための委任状


貸付金額、償還方法、利率、弁済期日を記して債務者及び連帯保証人が署名、押印して債権者に交付するものは、第1号の3文書にあたります。


23 建設協力金、保証金


貸しビル業者等がビル等の賃貸借契約または使用貸借契約(予約も含む)をする際、借受人から建設協力金、保証金等として一定金額を受領し、当該ビル等の賃貸借または使用賃貸借契約期間に関係なく、ある程度据え置いた後、一括または分割で返還することを約束した契約書は、第1号の3文書にあたります。


24 ゴルフクラブ会員証等


ゴルフクラブ等のレジャー施設が、その会員希望者から入会保証金等を受け入れた場合の作成する預り証または会員証等を称する文書で、有価証券以外の、一定期間据え置き後一括または分割での返還を約束したもの(退会時のみ返還するものは除く)は、第1号の3文書にあたります。(注)入会保証金等を退会時のみ返還することにしているものであっても、受領の事実が記載されているものは第17号の2文書(売上代金以外の金銭または有価証券受取書)にあたります。


25 学校債券


校舎、図書館、プール等の新設の資金に充てる目的で当該建築資金を受け入れた場合に作成する学校債券または借款証券等のうち、有価証券(権利の譲渡ができるもの)は課税文書にはあたりません。

第1号の3文書の重要事項

消費貸借の変更契約書または補充契約書で、変更または補充する事項が次のものは、課税文書にあたります。

  • 目的物の内容
  • 目的物の引渡方法または期日
  • 契約金額(数量)
  • 利率または利息金額
  • 契約金額(数量)または利息金額の返還(支払)方法または返還(支払)期日
  • 契約期間
  • 契約に添えられる停止または解除条件
  • 契約不履行の場合の損害賠償方法

関連リンク:

19号文書:消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預かり通帳、金銭の受取通帳などの18号文書以外の通帳

20号文書:判取帳