1号文書の4:運送に関する契約書|印紙税Q&Aサイト



1号文書の4:運送に関する契約書

印紙,税,実務

主な文書:

運送契約書、貨物引受書、定期用船契約書(参考)、輸送業務委託契約書


 

用語説明:

運送

運送とは、委託により、当事者の一方(運送人)が、物品/旅客を所定の場所に運ぶことを指します。

運送は、通常、有償で行われる請負契約となります。

印紙税法上は、無償で行われた運送についても、この運送に該当します。

用船契約

運送契約には、乗車券/乗船券/航空券/運送状は含みません。理由は以下のとおりです。


1 用船契約


船舶または航空機の全てまたは一部を貸し切り、人または物品を運送する契約を用船契約といい、次のいずれかにあたります。


(1)船舶または航空機の占有が所有者等に属し、所有者等自らが運送用に使用するもの。


(2)船長または機長その他乗組員等の選任または航海等の費用負担が所有者等に属するもの。


(取扱例)

  • 定期用船契約書

    船主が一定期間船舶の全てを乗組員付きで定期用船者に貸し切り、船長使用約款等に基づいて船長を期間中、定期用船者の指示下に置くこと等が内容の契約書は、用船契約書に含まれ第1号の4文書または第7号文書にあたります。

  • 契約金額が記されている及び契約金額が記されておらず、契約期間が3ヶ月以内で確定(更新に関する決まりがないもの)⇒第1号の4文書
  • 契約金額が記されておらず、契約期間も記されていないまたは定められた契約期間が3ヶ月を超えるもの(確定した期間は3ヶ月以内であるが、自動更新の定めがあるものを含む)で、用船料月額、支払方法等が決まっているもの⇒第7号文書
  • 定期用船契約に関する用船料協定書

    記載された契約期間が3ヶ月以内であり、更新に関する決まりがないまたは記載金額があるものは第1号の4文書、それ以外は第7号文書にあたります。

  • 裸用船契約書

    用船契約書という名前でも、内容が船舶または航空機を使用収益させることを目的とする契約書は。船舶または航空機の賃貸借契約の成立を証明するものであり、第1号の4文書にはあたらず、賃貸借に関する契約書にあたることから課税文書にはなりません。



2 運送状(送り状)

運送状とは、荷送人が運送人の請求に応じて交付する書面です。用途は、運送品と共に到達地に送付され、荷受人が荷物の同一性を検査したり、着払い運賃などを処理するために使用します。


※書面が運送状/送り状となっていても、運送品と共に到達地へ運送されることなく、運送引き受けの証として荷送人に交付されるものは、運送に関する契約書に該当します。


3 貨物受取書


運送業者が貨物運送の依頼を受けた場合に交付する貨物受取書のうち、品名、数量、運賃、積んだところ、揚げたところ等具体的な契約を記したものは第1号の4文書となり、物品受領の事実のみを記載しているものはこれにあたらないものとして扱われます。


[参考]貨物の運送に関して作成される文書の取り扱いは、その表題にかかわらず概ね次のとおりです。

  1. 荷送人の控え 基本課税文書にはあたりませんが、これに運送人が運送引受の証として署名または押印したり引受印を押したりするものは第1号の4文書になります。
  2. 荷送人に交付するもの 基本第1号の4文書。ただし、運送人の住所、氏名または名称、運送品の品名、数及び荷物の外見や形状の記載内容で、表題その他から見て運送品の受領事実のみを証明することが明らかなものは、課税文書にはなりません。
  3. 運送人の控えまたは事務整理として使用するもの 課税文書にはなりません。
  4. 運送品とともに送付するもの 運送状であり課税されません。
  5. 荷送人または運送人から荷受人に交付するもの 運送状または運送明細の連絡書であり、課税されません。
  6. 荷受人から運送品または荷送人に交付するもの 運送人の受領事実を証明するものは、運送品の受領書であり課税文書にはあたりません。受領書を請求書に添付する形式のものも同様です。
  7. 見積書として使用するもの 基本課税文書にはあたりませんが、契約文言が記載されていたり、引っ越しの依頼人が確認を押していたりするものは第1号の4文書となります。
  8. 運送賃の請求書として使用するもの 本課税文書にはあたりませんが、運送賃の受領事実を証明するものは第17号の1文書にあたります。
  9. 運送賃の受取書として使用するもの 運送賃の受領事実を証明するもので、第17号の1文書(売上代金にかかる金銭受取書)にあたります。

4 航空運送状


航空会社またはその代理店から荷送人が貨物の航空運送を引き受けると、荷送人は「航空運送状」(エアーウェイビル)を3部作成し、運送人に交付することにしています。


これはワルソー条約(国際航空運送についての統一規則に関する条約)により義務付けられているもので、第1の原本は「運送人用」と記載して荷送人が署名して運送人が保管し、第2の原本は「荷受人用」と記載して荷送人及び運送人が署名して貨物とともに荷受人に送り、第3の原本は運送人が署名して運送引受の証として荷送人に交付されます。


これらの全てが印紙税上の運送状にあたるわけではなく、運送状かどうかはその書面の記載内容によって個別に判断することになります。第1の原本はいわゆる申込文書ですから、課税文書にはあたりません。


第2の原本は貨物とともに荷受人に送付するものであり、印紙税法上の運送状になります。第3の原本は、運送人が運送引受後に署名して、引き受けの証として荷送人に交付するものですから、第1号の4文書にあたります。


5 用車契約書


ハイヤー契約のように個々の契約についてではなく、長時間運転手付きで用車することを内容とする契約書で、営業者間で契約されるものは第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)にあたります。


(取扱例)

  • タクシーのチケット利用契約書

    信販会社とその顧客の間で、信販会社が指定したタクシー業者のタクシーを顧客がチケットで利用することに関して作られる契約書で、利用料金や支払い方法などについて定めるものは、第1号の4文書、タクシー利用が営業車によって行われる場合は第7号文書にあたります。なお、この契約において運送取引は直接当事者間で行われませんが、信販会社はタクシー業者からの委託に基づいて取引するものですから、運送に関する契約書となります。

  • タクシーの共同乗車券の発行等に関するもの

    タクシー業者の団体と信販会社との間で、信販会社が団体のどのタクシーにも使える乗車券を発行、配付し、利用代金等の集金を行うこと、団体が信販会社に手数料を支払うこと、その支払時期等を定めるものは、運送取引そのものについての約束ではありませんから、第1号の4文書にはあたりません。

7 荷物運送証


海上運送人が船荷証券または荷物受取証の代わりに発行するもので、これと引き換えに荷物を引き渡すこと及び荷物の船積港、陸揚港等の運送の具体的条件が書いてある荷物運送証と称される文書は、第1号の4文書にあたります。


なお、船荷証券そのものでなく譲渡もできないことから、第9号文書(船荷証券等)にはならず、運送契約の成立を証明するものです。


8 第1号の4文書の記載金額


料金等が記載金額に含まれるかどうかは、その名目に応じて次のようになります。

記載金額に含まれる 記載金額に含まれない
各種割増運賃、車両留置料、自動車航走船利用料、有料道路利用料、架装費用、集荷料及び配達料、再配達料、移送料、保管料、着払手数料 品代金取立料(代引き手数料)、運送保険料、荷掛立替金

第1号の4文書の重要事項

運送に関する変更契約書または補充契約書で、変更または補充する事項が次のものは、課税文書にあたります。

  • 運送の内容(方法)
  • 運送の期日または期限
  • 契約金額
  • 取扱数量
  • 単価
  • 契約金額の支払方法または期日
  • 割戻金等の計算方法または支払方法
  • 契約期間
  • 契約に付される停止条件または解除条件
  • 債務不履行の場合の損害賠償方法

関連リンク:

19号文書:消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預かり通帳、金銭の受取通帳などの18号文書以外の通帳

20号文書:判取帳