2号文書:請負に関する契約書|印紙税Q&Aサイト



2号文書:請負に関する契約書

印紙,税,実務

主な文書:

工事請負契約書、注文請書(工事/物品加工/修理など)、印刷契約書、保守契約書、清掃契約書、広告契約書、俳優出演契約書


定義:請負には、プロ野球選手、映画俳優その他これらに類する者で政令に定める役務の提供を約束することを内容とする契約を含みます。


役務の提供を約束することを内容とする契約が請負となる者の範囲

(印紙税法施行令21条 法別表第1第2号の定義欄に規定する政令で定める者)

  1. プロボクサー
  2. プロレスラー
  3. 演劇俳優
  4. 音楽家
  5. 舞踏家
  6. 映画または演劇の監督、演出家、プロデューサー
  7. テレビ放送の演技者、演出家、プロデューサー

※請負に関する契約に該当するのは、プロ野球選手、映画俳優または(1)〜(7)の者が、これらの者として役務の提供を約束することを内容とした契約に限られます。例え委任等の契約であっても請負にあたりますが、それ以外の役務の提供を約束する内容であっても、その内容により本来請負にあたるものがあります。


意義及び範囲

プロ野球選手 1軍、2軍問わず、監督、コーチ及びトレーナーも含む
映画及び演劇の俳優 映画、舞台等の出演し、演技を行う芸能者
音楽家 広く洋楽、邦楽、民謡、雅楽、歌劇等を作曲、演奏、歌唱する者をいい、作曲家、演奏家(指揮者を含む)、声楽家(歌手を含む)等のことで、浪曲師、漫才師は含まない。
舞踏家 洋舞(ダンスを含む)、邦舞、民族舞踊、宗教舞踊等をする者で、能役者は含むが、歌舞伎役者は含まない。
映画または演劇の監督、演出家、プロデューサー 広く映画、演劇上の指導または監督を行う者、映画または演劇俳優の演技、衣装、扮装、装置、照明、音楽等を組織する者または映画、演劇の企画、制作者
テレビ放送の演技者 テレビタレントなど、テレビ放送に出演することを主な仕事にしている者だけでなく、広くテレビ放送を通じて演技を行う者を指す。映画または演劇俳優、落語家、歌手、舞踏家、楽師、講談師、浪曲師等の通常演技者がテレビ放送を通じて演技を行う場合も含まれる。
テレビ放送の演出家またはプロデューサー 広くテレビ放送の俳優の演技、衣装、扮装、装置、照明、音楽等を組織するディレクターまたはテレビ放送の企画、制作者を指す。

用語説明:

1 請負とは


民法632条に規定する請負のことで、完成すべき仕事の有形無形は問われません。


請負は当事者の一方がある仕事の完成を約束し、相手が結果に対して報酬を支払うことを内容の契約です。


民法上は典型契約としての請負契約が規定されていますが、印紙税法上ではその一部に請負に関する事項が併記された契約書や請負とその他事項が1つになって記載された契約書も、請負に関する契約書とされる場合があります。


請負の目的物には、家屋の建築、道路建設、橋りょう架設、洋服の仕立て、船舶や車両の製作、機械の製作や修理の他に、シナリオ作成、音楽の演奏、舞台出演、講演、機械の保守、建物の清掃のようなものもあります。


なお、請負は仕事の完成と報酬の支払いとが対価である必要があって、仕事の完成の有無に関係なく報酬が支払われるものは請負契約とはならないものが多く、また報酬が全く支払われないものは請負にはあたりません。


2 広告契約書


一定の金額で一定期間、広告スライド映写、新聞広告またはCM放送をすることを約束する契約書は、その内容により第2号文書か第7号文書にあたります。


3 エレベーター保守契約書、清掃請負契約書


ビルのエレベーターを常に安全運転できる状態に保ち、これに対して一定の報酬を支払うことを約束する契約書や、ビルの清掃に対して一定の報酬を支払うことを約束する契約書は、内容により第2号文書または第7号文書にあたります。いずれにあたるかは、記載された契約期間が3ヶ月を超えるか、営業者間での契約かどうか、契約金額の記載があるかどうかで判断します。


第2号文書になるもの (該当しなければ7号文書になります)

  1. 記載された契約期間が3ヶ月以内で、契約更新に関する定めのないもの
  2. 営業者とそれ以外の者との間の契約であるもの
  3. 契約金額の記載のあるもの

    例えば、その契約書に保守料月額(確定額の他、最低金額、最高金額、概算金額等も含む)及び契約期間の定めがあることにより、その期間に対応する契約金額(保守料月額×契約期間)を計算することができる契約書も含みます。

    この場合、「契約期間満了日の1ヶ月前までに契約当事者から別段の意思表示がない場合は、さらに契約を1年更新する」などの定めがある時は、確定した契約期間のみによりこの計算をし、更新の期間は契約期間に含みません。

4 電算処理委託契約書


委託者の業務を受託者の保有する電子計算機で処理することを委託する文書は、報酬を得て会計事務等を電算処理することが請負契約に該当することから、第2号文書または第7号文書にあたり、いずれになるかは「エレベーター保守契約書、清掃請負契約書」と同じです。


5 請負契約と委任契約


請負契約が当事者の一方が仕事の完成を約束し、相手方がその結果に対して報酬を支払うといった、仕事の完成に重きを置いた契約なのに対し、委任契約は当事者の一方が法律行為またはその他事務処理を委託し、相手方がそれを承諾することで成立します。すなわち一定の目的に従って事務処理すること自体が目的で、仕事の完成は必ずしも目的ではありません。また、委任においては受任者にある程度の自由裁量を認めており、事務処理する過程を重視しているので、当事者間の信認、信頼関係を重視した契約といえます。


(取扱例)

  • 会社監査契約書

    公認会計士(監査法人を含む)と被監査法人との間で作られる契約書は、最終的に監査報告書を作るためのものですから、第2号文書として取り扱われます。なお、株式会社の会計監査人への就任を承諾する場合に作られる会計監査人就任承諾書等、監査報告証の作成までを約するものでない契約書は、委任に関する契約書にあたりますから、課税文書にはあたりません。

  • 税理士委嘱契約書

    税理士委嘱契約書は、委任に関する契約書にあたりますから課税文書ではないのですが、税務書類等の作成を目的とし、これに対して一定金額を支払う約束をした契約書は第2号文書にあたります。

  • コンサルティング契約書

    商品開発に関する等、コンサルティング業務の委託は、知識を経験に基づき助言を行うことを委託するもので、商品開発という仕事の完成は約束しておらず、仕事が完成しなくても責任を負うものではありませんから、請負契約ではなく委任契約にあたるため、その契約書は課税文書にあたります。

6 仮工事請負契約書


地方公共団体が工事請負契約と締結するあたり、地方公共団体の議会の議決を通過しなければならないため、その議決前に仮工事請負契約書を作成することにしている場合における当該契約書は、第2号文書にあたります。


7 宿泊申込請書


旅館業者等が顧客から宿泊の申し込みを受けて、宿泊年月日、人員、料金等を書いて申し込みを引き受けた旨を書いて顧客に交付する文書は、第2号文書の取り扱いになります。ただし、ご案内状など単に案内目的の文書は課税文書にはなりません。


8 見積書に基づく注文書と注文請書


機械の製作会社等が部品等を下請けに製造委託する場合、下請会社からあらかじめ見積書を提出させ、これに基づく注文書および注文請書を複写記載し、下請会社に交付して発注する方法があります。この場合、各文書の印紙税の取り扱いは次のようになります。

  • 見積書

    委託加工契約の誘因文書として作られ、加工契約(請負契約)成立の事実を証明するものではないため、課税文書にはあたりません。

  • 注文書

    見積書に基づいて発注する場合であっても、印紙税はその文書の記載内容等に基づいて課税されるかどうかを判断するようになります。

    単に注文書のみの表示で、見積書に基づく注文である旨が記載されていない→契約の申込文書であり、課税文書ではありません。

    見積書に基づく注文である旨が記載されている→単なる申込文書ではなく、申し込みに対する承諾を内容とする文書であることが明らかなので、第2号文書にあたります。ただし、この注文書に対してさらに注文請書の作成を予定している場合(注文書に「注文を受ける場合には、注文請書を提出して下さい」等と書かれていて、契約成立を注文請書の提出にかからしめている場合)、当事者間では注文書は単なる申込文書であり、注文請書で契約成立を証明することになるため、課税文書にはあたりません。

  • 注文請書

    いずれの場合においても、注文に対する応諾を証明するもの、すなわち加工委託契約の成立事実を証明するものであり、第2号文書にあたります。

9 共同施工により工事請負にかかる契約書


発注者から工事を請け負った受注者(甲)が、他の者(乙)と共同で工事をするにあたり、甲と乙の間で工事の分担、工事費の配分、工事代金の支払時期等について定める契約書は、甲と乙の共同企業体が発注者との間において内部的分担を定める民法上の組合契約書とは異なり、甲が発注者から請け負った工事の一部を乙に工事を実施させるにあたっての条件(請負の対価及びその支払時期等)を定めるもので、実質的には請負契約の照明ですから、第2号文書にあたります。


10 工事費負担金契約書


電気の供給を受けようとする者の申し込みに対し、電力会社が電気供給設備を施工することとし、工事費負担金を申込者が支払うこと及び完成された電気供給設備の所有者は電力会社であること等を内容にした契約書は、完成後の電気供給設備の所有が電力会社に属することから、単に工事負担金の支払いに関係するものなので、課税文書にはあたりません。


11 修理品の承り票、引受票等


第2号文書にあたります。修理、加工の依頼を受けた場合、依頼者に交付する文書のうちの修理、加工することが明らかになっているものは請負に関する契約書にあたりますが、概ね次のようになります。


承り票、引受票等と称するものまたは受託文言の記載があるもの 第2号文書
修理票、引換証、預り証、受取書、整理券と称するもので、仕事内容(修理、加工箇所、方法等)、契約金額、期日または期限のうち、いずれか1つ以上の記載があるもの(出来上がり予定日は、期日または期限扱いにはならない) 第2号文書
修理票、引換証、預り証、受取書、整理券と称するものうち、2に該当しないもの

(1)受取書、預り証等と称するもので、修理、加工品の受賞事実のみの記載

(2)整理券、引換証等と称するもので、修理、加工品の引換整理のために使用

原則不課税

(1)の例は物品受領書

(2)の例は整理券

保証期間中の修理等、無償契約である場合において、その旨が文書で明らかなもの 不課税

12 「修理代金1万円未満」等と記載されている承り票、引受票等


が、具体的な修理代等が書いていなくても修理代等が通常1万円未満であることが明らか、かつその旨が「修理代金1万未満等」等と書かれているものは非課税文書の扱いになります。


13 規格品に注文書の商標等を表示して納品する缶容器の注文請書


製缶業者は、缶の容量や形状、材質等が一定している見本を提示し、注文に応じてその表面に商標、デザイン等を印刷して納品することがあります。


供給する物品の規格をあらかじめ定め、見本品を見てから注文する場合においては、例え容器のデザインが注文者の指示によるものであっても、取引の主体は見本品に基づく容器の売買にあたりますから、物品の譲渡に関する契約書として課税文書にはあたりません。

第2号文書の重要事項

請負に関する変更契約書または補充契約書で、変更または補充する事項が次のものは、課税文書にあたります。

  • 運送の内容(方法)
  • 運送の期日または期限
  • 契約金額
  • 取扱数量
  • 単価
  • 契約金額の支払方法または期日
  • 割戻金等の計算方法または支払方法
  • 契約期間
  • 契約に付される停止条件または解除条件
  • 債務不履行の場合の損害賠償方法

契約金額の記載のない場合1通につき200円となります

(参考)建設業法第2条1項における建設工事

  • 土木一式工事
  • 建築一式工事
  • 大工工事
  • 左官工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 石工事
  • 屋根工事
  • 電気工事
  • 管工事
  • タイル・煉瓦・ブロック工事
  • 鋼構造物工事
  • 鉄筋工事
  • 舗装工事
  • しゅんせつ工事
  • 板金工事
  • ガラス工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 内装仕上工事
  • 機械器具設置工事
  • 熱絶縁工事
  • 電気通信工事
  • 造園工事
  • 作井工事
  • 建具工事
  • 水道施設工事
  • 消防施設工事
  • 清掃施設工事

非課税となるもの

契約金額が書かれている契約書(課税物件表の適用に関する通則3イの規定が適用されることにより、この号に掲げる文書となる者を除く)のうち、契約金額が1万円未満のもの。

コラム:

所有権移転目的の売買契約と請負契約の判断は以下の表を参照ください。


契約の内容 区分 具体例
注文者の契約に基づき、一定の仕様/規格などに従い製作者の労務により工作物を建設することの内容 請負 家屋の建築、道路の建設、橋梁の架設
製作者が工作物を予め一定の規格/仕様で統一し、これに価格をつけて注文を受け、その規格に従い工作物を建設し供給することの内容 売買 建売住宅の供給
注文者が材料の全部/主要部を提供(有償無償問わず)し、製作者がこれによって一定物品を製作する内容 請負 生地提供の洋服仕立て、材料至急による物品製作
製作者の材料を用いて、注文者の設計/指示/規格に従い、物品を製作する内容 請負 船舶/車両/機械/家具の製作、洋服の仕立て
予め一定に規格で統一された物品を注文に応じて、製作者の材料を用いて、製作、供給する内容 売買 カタログ/見本による機械/家具などの製作
一定の物品を一定の場所に取り付けることにより、所有権を移転する内容

(テレビアンテナくらいの特別な技術のいらない取り付けは売買として扱います)

請負 大型機械の取付け
修理/加工の内容 請負 建物/機械の修理、塗装、物品加工

(取扱例)取付工事を伴う機械売買契約書

一定規格で統一されたエアコン等のカタログ販売においては、これらの取り付けには総統の技術を要することから、販売にあたっては取り付け後に引き渡すこととし、取付工事代金を含めて取引価格を定めることになります。このような契約において、エアコンの売買とその取付工事という仕事の完成を目的として請負契約とを内容とする契約として、印紙税法上では第2号文書(請負に関する契約書)にあたります。具体的な印紙税額は記載金額がいくらになるかで決まりますが、その記載金額は次のようになります。

取付工事代金を含めた金額でエアコンの代金として記載されている 記載された金額が記載金額となります
エアコンの代金と取付工事代金が別々に記載されている 取付工事代金として記載されている金額が記載金額となります


※判定は、契約当事者の意思が、仕事の完成(請負)と所有権移転(売買)のどちらを重要としているかで行います。

関連リンク:

19号文書:消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預かり通帳、金銭の受取通帳などの18号文書以外の通帳

20号文書:判取帳