契約書の意義|印紙税Q&Aサイト

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印紙税法上の契約書


「〜に関する契約書」というように、印紙税が課税される文書の多くで定められています。


印紙税法の定義では、次のようになっています。


「契約書」とは、契約証書、協定書、約定書その他名称のいかんを問わず、契約(その予約を含む。以下同じ)の成立もしくは更改または契約の内容の変更もしくは補充の事実(以下「契約の成立等」という)を証すべき文書をいい、念書、請け書そしてその他契約の当事者の一方のみが作成する文書または契約の当事者の全部もしくは一部の署名を欠く文書で、当事者間の了解または商慣習に基づき契約の成立等の証することとされるものを含むものとする。


契約書とは、契約成立などの事実を証明する文書を指し、文書の表題や形式、当事者同士が署名するか否かではなく、契約の成立が証明される者であれば、印紙税法の契約書となります。


なお、契約の成立等には契約消滅は含まれませんので、契約の解除を証明する契約書は印紙税の課税文書ではありません。

定義における用語

「契約」とは、2個以上の意思表示の合致による法律行為であり、示談書なども契約書の一種です。


示談書は、裁判外の和解について書かれますから、その内容が物品または有価証券により損害を払うものであれば、課税文書にはなりません。


不動産を給付するものが第1号の1文書(不動産の譲渡に関する文書)になります。


「予約」とは、将来本契約を結ぶべき旨の契約です。


当事者の一方だけが後の契約への義務を負担すべきものと、双方が共に義務を負担するものとがあります。


例えば、「Aから要求があった場合は、坪あたり○万円で私の土地を譲渡します」という記載文言は、土地所有者が後に売買契約を成立すべき義務を負担すべきものですから、対象物件が特定されていなくても予約に該当します。


また、「債権者から要求があった場合、いつでも保証人を立てます」という記載文言は、債権者が保証人を立てる義務を負担するものですから、例え保証人が確定していない場合でも予約となります。


これらの場合、前者は土地上との予約に該当し、後者は債務保証について保証人を立てる契約の予約に該当しますが、債務保証人がこの契約によって保証契約を成立させるべき義務を負担するものではありませんから債務の保証の予約にはなりません。


「契約の更改」は、契約によって既存の債務を消滅させ、新たな債務を成立させることです。例えば、売掛金の債権を消費貸借の目的とするため、準消費貸借契約書を締結することが該当します。


新旧の債務に同一性はなく、同債務が伴った担保、補償、抗弁権等は原則として消滅します。


「契約の内容の変更」とは、既に存在している契約(原契約)の内容を、同一性を保ったまま変更することです。


工事請負に関する契約金額や工事の完成期限、金額の支払方法などを変更する契約などがあります。


なお、契約の内容とは、契約の重要な要素となる事項のことで、重要ではない事項を変更する契約書は課税文書となりません。


この重要な事項について印紙税法基本通達の別表第2で課税文書ごとに定められています。


「契約の内容の補充」とは、原契約の内容として欠けている事項を補充することで、消費貸借契約において「利率は両当事者間で別途協議して決める」と定め、「利率は年○%とする」旨の協定書や覚書を定めた場合、協定書や覚書が「契約の内容の補充」目的の契約書となります。


なお、契約の内容を補充する契約書においても、印紙税法基本通達の別表第2で定められている「重要な事項を補充する契約書」が課税文書となり、重要な事項ではないことを変更した文書は課税文書にはなりません。

当事者の一方のみが作成する文書は?

印紙税法において、文書の契約や名称に関係なく、契約の成立を証明する文書は全て契約書となります。したがって、両当事者がともに署名・押印する形の契約書だけでなく、念書や承諾書、請書など当事者の一方が署名・押印して相手方に交付するする文書も契約書に該当します。

通知書、お知らせなど

一般にはある事実を他人に知らせるために用いられる文書は、印紙税法上の契約書とは扱われません。


しかし、通知書やお知らせなどであっても、契約の当事者間において契約成立等を証明するための文書は契約書に該当します。

  1. 相手方の申し込みに対し、承諾することが文書上明らかなもの。
  2. 基本契約書等を引用していることで、双方の合意に基づくことが明らかなもの。
  3. 当事者間が協議して決定した事項を、当該文書により通知することを本契約書等に記載されているもの。

なお、契約として扱われないものとして、委任契約に基づく処理結果の通知(口座引落通知書、受託販売事績の通知書)および既に原契約書での確定事項を再確認する通知文書があります。

同一内容の文書を2通以上作成した時は?

契約当事者間で同一内容の文書を2通以上作った場合、それぞれ課税事項を証明する目的で作られたことが明らかな時は、それぞれ課税文書となります。


例えば、当事者の一方で契約担当部署と経理担当の両方で文書を保管しておく必要から、当事者同士が署名・押印した契約書を双方の保管分も含め3部作成した場合、全て契約書となり印紙を貼ることになります。

写、腹、謄本の場合

契約当事者の双方、または一方の署名・押印があるものは課税文書となりますが、文書の所持者のみが署名または押印しているものは課税されません。写、腹、謄本等が正本等と相違ないと証明できるものも課税文書となります。


ただしこれも、文書の所持者のみが署名または押印しているものは除外されます。


一般に、正本と同一内容の文書に、契約当事者が正本と相違ない証として押印や割り印をするのは、証明力を付与するためです。


しかし、自分が所持する文書に押印などをしても、相手方に対して主張すべき証明力を加えたとは認められません。


また、課税文書の作成とは課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、その目的に従って行使することですから、単なる自己証明では課税文書とは認められません。

コピーした文書は?

複写機でコピーした文書は、どんなに精巧なものであっても単なる写しですので、課税文書ではありません。


ただし、「契約当事者の双方、または一方の署名・押印があるもの」 または「正本等と相違ないと証明できるもの」であれば課税文書となります。

カーボン紙等で複写された文書

社会通念上、肉筆の文書と同一扱いされており、一般での署名と同じ扱いになります。

当事者以外に提出する文書

契約当事者以外の者に提出・交付する文書で、記載文言からみて当該契約当事者以外に出すことが明らか、または提出先や交付先が文書に記載されているものは、課税文書には該当しないことになっています。


ここでいう「契約当事者以外の者」とは、当該契約に関与しない者をいい、当該契約に関与する消費貸借契約における保証人、不動産売買契約における仲介人などが持つ契約書で、契約当事者の署名または押印のあるものは課税文書となります。


消費貸借契約における保証人、不動産売買契約における仲介人等は、契約の当事者ではありませんから、当該契約の成立を証明する文書作成者(納税義務者)とはなりません。

譲渡に関する契約書

印紙税法[別表第1]課税物件表の1号及び15号の「譲渡に関する契約書」とは、権利や財産等を他人に同一性を保ったまま移す内容とする契約書のことで、売買契約に限らず、交換や贈与、代物弁済及び法人等に対する現物出資の契約書も該当します。