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電子商取引と印紙税

インターネット上での電子商取引に対する印紙税の取り扱いは、その取引に関連して契約書や受取書といった課税文書が作成されるかどうかによって決まります。


取引に関連した文書が作成されない限り、課税されることはありません。


印紙税法上の文書とは、必ずしも紙を使って当事者の意思表示をしなければならないわけではありません。


例えば、オークションサイトに掲載されている不動産の売買契約は、購入希望者がネット上でその意思表示を行うことによって成立し、その代金の決済は買い手の銀行口座から売り手の銀行口座に振り込まれると取引終了になっている場合は、取引の過程で契約書等の作成は行われません。


パソコン内に記録されたデータは、文書として扱われないからです。


しかし、不動産譲渡の場合は、所有権移転登記のためにその事実を証する書面が必要となり、印紙税が課税されます。


また、代金決済にあたり領収書を発行した場合も課税されます。

電子証明法等と印紙税

「電子署名及び認証業務に関する法律」(電子署名法)は平成13年4月1日に施行され、電子署名付きの電子文書に証明力がある程度付けられ、電子商取引における安全性の不安が取り払われました。


また、「署名の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」(IT書面一括法)によっても、電子商取引の促進のため法規制の整備、見直しが行われたことで、民間同士で取り交わす通知や契約などについて、Eメール等の電子的手段が認められるようになりました。


現時点では電磁的データは文書扱いされないため、「電子商取引と印紙税」での考え方に基づき、個別で判断することになります。

電子データをプリントアウトしたら?

パソコン内のデータをプリントアウトした書面は「契約の成立等を証すべき文書」となるのでしょうか? 基本的には、単に打ち出しただけではコピーと同じく課税文書とはなりません。


しかし、プリントアウトされた文書について当事者間において「契約の成立等を証すべき文書」とする合意や「双方または一方の署名・押印をしている」「当事者の証明のあるもの」など、課税文書に該当するような措置を施したものは、課税文書となる可能性があります。

電子商取引関連の印紙税取扱事例

(1)システム開発委託契約書

システム開発・処理等の委託契約は請負契約に該当することから、第2号文書(請負に関する契約書)に該当します。


また、開発ソフト等の著作権を移転させる旨の契約事項がある場合は第1号の1文書(無体財産権の譲渡に関する契約書)にも被りますが、著作権の譲渡の対価(契約金額)がソフト開発等の対価額より少ない時は第2号文書、多い時は第1号の1文書扱いになります。

(2)ソフトウェア開発委託業務基本契約書

外部の第三者にソフト等の開発・処理等の業務を継続して委託し、報酬を支払うことを記したソフトウェア開発委託業務基本契約書は、その開発業務等の完成を全て受託者に任せるのか、委託者の指揮下で行うかによって、印紙税の課税関係が違ってきます。


全てを受託者に任せる場合、開発契約は請負契約となり、第2号文書となります。


また、営業者の間において開発物に関する2以上の取引を継続して行うための契約書で、取引に共通する目的物の種類、単価、対価の支払方法を定める契約書は、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)にもなります(請負契約にかかる契約記載がない場合。契約記載があれば第2号文書)。


なお、開発ソフト等の著作権を移転させる旨の契約事項がある場合は第1号の1文書にも該当しますが、譲渡の対価(契約金額)があれば第1号の1、なければ第7号文書となります。


受託者の指揮下で開発業務を行う場合は、請負契約ではなく準委任契約に該当し、課税文書とはなりません。

(3)システム設計契約書

設計等の委任契約が請負契約となることから、第2号文書となります。

(4)システム移行・運用準備支援契約書

移行・運用業務を受託者に全て任せるか、委託者の指揮命令下で行うかによって課税関係が異なります。


受託者に任せる場合、請負契約に該当することから第2号文書となり、その契約書に記載されている金額に応じた印紙税が課税されます。


委託者の指揮命令下で業務を行う場合、社員等を派遣して委託者を支援するに過ぎないことから準委任契約となり、課税文書にはなりません。

(5)ソフトウェア保守契約書

委託者と受託者の間で、保証期間が過ぎたシステム等の稼働不良に関する原因調査・修復及びプログラムの修復業務、あるいはシステムの保守業務に委託するため作成されるソフトウェア保守契約書等は、請負契約に該当することから第2号文書になります。


また、営業者間で業務を継続して委託する契約書で、目的物の種類(委託業務の範囲)、単価、対価の支払方法を定めたものは第7号文書とも被りますが、第2号にかかる契約金額(請負業務の確定対価)の記載があれば第2号、なければ第7号文書となります。

(6)サポート業務委託契約書

委託者が販売等をするソフトなどで、委託者の顧客から操作方法等に関する質問、問い合わせに対し回答する業務を委託するために作成される契約書は、請負契約ではなく準委任契約となり、課税文書にはなりません。

(7)ソフトウェア使用許諾契約書

ソフトの使用許諾を内容とする契約は、著作権を譲渡するのではなく、その利用を認めるに過ぎませんので、第1号の1文書だけでなく、他の課税文書にも該当しません。

(8)サーバーモール出店契約書

第三者が運営するWEBサイト上のモールに出店し、会員に対して商品またはサービスを提供する場合の契約関係について定める契約書には、リンク集的なものや決済の代行サービスを提供するものなど、様々です。このうち、

  • 会員が容易に希望商品を見つけることができる検索機能

     

  • オンラインによる受注(商品またはサービス提供の申し込み情報の伝送)

     

  • モール内で商品を提供した会員をデータベースで管理する

     

  • ショップへのアクセス数、売上データ等の情報提供

     

など、サービスを提供することを内容とする契約書は、売買に関する業務の一部(購入受付業務等)を委託するために作られる契約書で、業務範囲、対価の支払方法を定めるものは第7号文書として課税対象となります。

(9)情報提供に関するもの

インターネット情報提供サービス事業者が、第三者が持つ情報を自己でユーザーに配信するため、第三者との間で情報の利用許可を得るために作成する契約書は、その内容がユーザーへ配信する目的で使用することを許したものであり、著作権の譲渡を行うものではないため、第1号の1文書には該当せず、また、他の課税文書にも該当しません。

ファックス文書の扱い

電子消費取引に限らず、ファックスで送信された文書は発信者の文書「本体」が相手に交付されるわけではなく、内容を電子信号として相手方に送信し、機器で印字されるものですから、コピーと同じく課税文書にはなりません。


また、送信者がファックスで送信する目的で作成された文書でも、相手方に対する交付行為が存在しないことから、送信者が原本に保存されている限り課税文書とはなりません。