記載金額|印紙税Q&Aサイト

記載金額

印紙,税,実務

印紙税法では、課税標準及び税率の適用区分や非課税となる文書に範囲について、当該分社に記載された金額を基礎として定められている文書がありますが、記載された金額を「記載金額」といいます。


記載金額とは、次に挙げる金額で契約の成立等に関し直接証明を目的とした金額となっています。


この計算については、印紙税法課税物件表の「課税物件表の適用に関する通則」で定められています。

(1)不動産等の譲渡に関する契約書(第1号の1)及び債権譲渡に関する契約書(第15号)→次に掲げる金額

売買→売買金額

(例)土地売買契約書において、時価60万円の土地を50万円で売買すると記載⇒契約金額60万円

交換→交換金額

交換契約書に対象物の双方の価値が記載されていたら、いずれか高い方(価値が同一の時はいずれか一方)の金額を、交換差金のみが記載されている時は当該差金をそれぞれ交換の金額となります。


(例1)甲の所有する土地(価値100万円)と乙の所有する土地(価値110万円)とを交換し、甲が乙に10万円支払うと記載⇒契約金額110万円


(例2)甲の所有する土地と乙の所有する土地とを交換し、甲は乙に10万円支払うと記載⇒契約金額10万円

代物金額→代物弁済により消滅する債務の金額

目的物の価値が消滅する債務より上回ることで、債権者がその差額を債務者に支払うことになっている場合、その差額を加えた金額となります。


(例1)借用金100万円の支払いの代わりに土地を譲渡する⇒契約金額100万円


(例2)借用金100万円の支払いの代わりに150万円相当の土地を譲渡すると共に、50万円を債務差に支払う⇒契約金額150万円

法人等に対する現物出資→出資金額
その他→譲渡の対価たる金額

(注)贈与金額においては、譲渡の対価たる金額はありませので、契約金額はないものとされます。

(2)地上権または土地の貸借権の設定または譲渡に関する契約書(第1号の2)→設定または譲渡の対価となる金額

「設定または譲渡の対価となる金額」とは、賃貸料を除いて権利金その他の契約に際して相手方当事者に交付し、後日の返還が予定されていない金額のことです。


したがって、返還が予定されている保証金や敷金は、契約金額には該当しません。


(注)土地の賃貸料は目的の使用収益のための対価で、貸借権の設定の対価ではないことから契約金額にはなりません。

(3)消費貸借に関する契約書(第1号の3)→消費貸借金額(利息金額は含みません)

(4)運送に関する契約書(第1号の4)→運送料または用船料

(5)請負に関する契約書(第2号)→請負金額

(6)債務引受に関する契約書(第15号)→引き受ける債務の金額

記載金額の計算

(1)その文書に2以上の契約金額の記載があった上で、これらが印紙税法[別表第1]課税物件表の同一の号に該当する文書によって証明されるべき事項にかかるもの→金額の合計額が当該文書の記載金額

(例1)請負契約書に工事請負の金額として、A工事200万円、B工事300万円と記載⇒記載金額500万円


(例2)不動産及び鉱業権売買契約書に、不動産価格1200万円、鉱業権400万円と記載⇒記載金額1600万円

(2)印紙税法[別表第1]課税物件表の2以上の号に該当する文書として、その記載金額が2以上の号より証明すべき事項ごとに区分できる場合→その文書が所属することになる号の文書により証明される事項にかかる金額が当該文書の記載金額。

(例1)不動産及び債権売買契約書に、不動産の譲渡価格700万円、債権の譲渡価格200万円と記載⇒記載金額700万円⇒(第1号の1文書)


(例2)不動産売買及び工事請負に関する契約書に、(1)土地の譲渡価格300万円、(2)家屋の譲渡価格100万円、(3)A工事400万円、(4)B工事200万円と記載
400万+200万=600万円が記載金額⇒(第2号文書)


(注)第1号と第2号文書、それぞれの契約金額を区分して記載されているものは、より契約銀額が多い号の文書に所属決定される。

(3)印紙税法[別表第1]課税物件表の2以上の号に該当する文書について、その記載金額を2以上の号により証明される事項ごとに区分できない場合→記載されている金額が当該文書の記載金額

(例)不動産及び債権売買契約書に「土地及び債権の譲渡価格500万円」と記載 記載金額500万円

(第1号の1文書)

(4)印紙税法[別表第1]課税物件表第17号の1に掲げる売上代金にかかる金銭または有価証券の受取書に対し税率を適用する時の記載金額(その文書が非課税文書に該当するかどうかの判断は、この規定は適用されない)

受取書の記載金額を売上代金にかかる金額とその他金額に区分することができる→売上代金にかかる金額が、その受取書の記載金額


(例)貸付金元本200万円、利息10万円の受取書 記載金額10万円(第17号の1文書)

受取書の記載金額を売上代金にかかる金額とその他金額に区分することができない→記載された金額が受取書の記載金額


(例)貸付金元本及びその利息の受取書で、元利合計210万円のみが表示されているもの 記載金額210万円

(第17号の1文書)

(5)契約金等の変更事実を証明する文書(契約金額の変更契約書)の記載金額

当該文書にかかる契約について、変更前の契約金額等の記載のある文書作成が明らかであり、変更の事実を証明する文書によって変更金額が記載されている場合(ここでいう「変更金額」は、変更前の契約金額等と変更後の金額等の差額に相当するものです。


「変更の事実を証明する文書によって変更金額が記載されている場合」には、変更前と変更後の契約金額等が記載されていることで変更金額が明らかな場合を含みます)

  • 当該変更金額が変更前の契約金額等を増加させるもの→変更金額が記載金額
  • 当該変更金額が変更前の契約金額等を減少させるもの→当該文書の記載金額はないものとなります。
  • 変更の事実を証明する文書に、変更後の金額のみが記載されている場合→当該変更の事実を証する文書に記載されている変更後金額が、当該文書の記載金額

         

(6)当該文書に記載されている単価及び数量、記号その他にその契約金額等の計算ができる場合→計算によって異算出した金額が当該文書の記載金額


(例)物品加工の契約書で、加工単価500円、数量1万個となっている 500×1万=500万円が記載金額

(第2号文書)

(7)第1号または第2号に掲げる文書に、当該文書にかかる契約について契約金額または単価、数量、記号その他の記載がある見積書、注文書その他これらに類する文書(印紙税法[別表第1]課税物件表に掲げられた文書に該当する物を除く)の名称、発行日、記号、番号その他の記載があることで、当事者間において当該契約についての契約金額が明らかである、または当該契約について契約金額の計算ができる時→明らかである契約金額または当該計算により算出した金額が、当該第1号または第2号文書の記載金額となる。

(例1)「請負金額は貴注文書○○号のとおりとする」と記載されている注文請書で、注文書に記載されている請負金額は500万円である 記載金額500万円の第2号文書⇒(請負に関する契約書)


(例2)「加工数量及び加工料単価は貴注文書○○号のとおりとする」と記載されている物品の委託加工に関する注文請書で、記載されている数量が1万個、加工料単価が500である
記載金額500万円の第2号文書⇒(請負に関する契約書)


(例3)「加工数量は1万個、加工料は委託加工機本契約書のとおりとする」と記載された委託加工注文請書で、委託加工機本契約書の加工料単価が500である
記載金額のない第2号文書⇒(請負に関する契約書)


(例3)の委託加工基本契約書が印紙税法[別表第1]課税物件表に掲げられた文書に該当することから、記載金額の計算に関する規定は適用されません。

(8)第17号に掲げる文書のうち、売上代金として受け取る有価証券受取書に当該有価証券の発行者、発行日、記号、番号その他記載があること、または第17号に掲げる文書のうち売上代金として受け取る金額もしくは有価証券受取書に、当該売上代金にかかる受取金額の記載のある支払通知書、請求書その他これらに類する文書の名称、発行日、記号、番号、その他が記載されていることにより、当事者間において当該売上代金にかかる受取金額が明らかな時→当該明らかである受取金額が、当該受取書の記載金額

(例1)「小切手1通(××株式会社発行、No.△△)と記載された物品売買代金の受取書で、当該小切手の額面金額が100万円 記載金額100万円の第17号の1文書⇒(売上代金にかかる有価証券受取書)


(例2)「請求書No.△△にかかる工事請負代金を受領しました」と記載された工事請負代金の受取書で、請求に記載された工事請負代金が100万円 記載金額100万円の第17号の1文書⇒(売上代金にかかる金銭または有価証券受取書)

(9)当該文書の記載金額が外国通貨→当該文書作成日における財務大臣が定めた基準外国為替相場または裁定外国為替相場により記載金額を円に換算した金額が、当該文書の記載金額

(10)予定金額等が記載されている文書の記載金額

1 記載された契約金額等が予定金額または概算金額である→記載された予定金額または概算金額が記載金額


(例)

予定金額 250万円 →250万円

概算金額 250万円 →250万円

約 250万円 →250万円


2 記載された契約金額等が最低金額または最高金額である→記載された最低金額または最高金額が記載金額


(例)

最低金額100万円 →1000万円

100万円以上 →100万円

100万円超 →100万1円

100万円以下 →100万円

100万円未満 →99万9999円


3 記載された契約金額等が最低金額と最高金額である→最低金額が記載金額


(例)

100万円から200万円まで →100万円

100万円超200万円以下 →100万1円


4 記載されている単価及び数量、記号その他によりその記載金額が計算できる場合、その単価及び数量等が予定単価または予定数量となっている時→1〜3を準用して算出した金額が記載金額


(例)

予定単価1万円、予定数量100個 →100万円

概算単価1万円、概算数量100個 →100万円

予定単価1万円、最低数量100個 →100万円

最高単価1万円、最高数量100個 →100万円

単価1万円で、数量50〜100個まで →50万円

(11)契約の一部についての金額が記載されている契約書の記載金額→記載されている金額が記載金額

(例) 「A工事代金100万円。ただし付帯工事については実費」と記載されている請負契約書 記載金額100万円の第2号文書⇒(請負に関する契約書)

(12)手付金または内入金額が記載されている契約書の記載金額

原則としては、記載金額のない契約書となります。


なお、100万円を超える手付金額または内入金額の受領事実が記載されていると、第17号の1文書(売上代金にかかる金銭または有価証券の受取書)に該当する場合もあります。

(13)月単位で契約金額を定めている契約書の記載金額

契約期間が書いてある→月単位の金額で契約期間の月数等を乗じた金額が記載金額


(例)ビル清掃請負契約書において、「清掃料は月10万円、契約期間は1年だが、当事者異議ない時はさらに1年延長するものとする」と記載されている
10万円×12ヶ月=120万円が記載金額の第2号文書(請負に関する契約書)


(注)契約期間更新の定めがあるものについては、更新前の期間のみ算出の大本とし、更新後の期間は含まない。

(14)税金額の記載されている文書の記載金額

源泉徴収義務者または特別徴収義務者が作成する受取書等の記載金額のうち、源泉徴収または特別徴収にかかる税金額を含み、当該税金額が記載されている→全体の記載金額から当該税金額を控除した後の金額が記載金額


(15)「無償」「0円」などと記載されている契約書等の記載金額→当該契約書等の記載金額に該当しないものとされます。

(16)消費税及び地方消費税の金額が区分記載されている文書の記載金額

  1. 第1、第2、第17号文書に消費税及び地方消費税の金額が記載されている場合、当該金額は記載金額には含めません。「消費税及び地方消費税の金額が区分記載されている」とは、取引にあたって課されるべき消費税及び地方消費税の具体的金額が記されていることです。
  2. 消費税及び地方消費税の金額のみを受領した際に交付する第17号文書については、記載金額がない第17号文書となりますが、消費税及び地方消費税額が3万円未満の場合は、非課税文書となります。

(取扱例)マルチペイメントネットワークの利用明細票


マルチペイメントネットワーク(NPN)とは、収納機関に収納の代行を委託する国や地方公共団体、一般事業会社と金融機関との間をネットワークで結び、現金自動預入支払機(ATM)、インターネット等の支払チャンネルを活用して公共料金等を収容し、利用者の利便性と収納機関及び金融機関の事務効率を向上させる電子収納システムです。ATMを利用して公共料金を支払う場合、発行される「ご利用明細票」
には

  • 取引内容
  • 取扱日
  • 取扱金額(延滞金、手数料なども含む)
  • 顧客の氏名
  • お客様番号(シリアルナンバー)
  • 収納機関への払込金額
  • 払込金額が当該収納機関の行った資産譲渡等の対価額である場合の当該払込金額に含まれる消費税及び地方消費税の額
  • 料金等の払込内容
  • MPNを使った払い込みである表示

が印字されます。


資産の譲渡等を行った事業者がその料金等を収納する際、相手方に交付する領収書に取引金額とその取引に課される消費税等の額が分かれて記載されている場合、第17号文書(金銭または有価証券の受取書)の記載銀額には含めないこととされます。


一方、金融機関等が顧客からの振込依頼に基づき受け取る振込金は、取引当事者間における資産の譲渡等の対価そのものでないことから、振込の対象となる取引について課される消費税等の金額が区分記載された振込金の受取書を発行しても、消費税等の金額を記載金額から除外することできません。


しかし、電力料金等の収納事務を委託された金融機関が、その代金を収納する場合、金融機関が電力会社等の代わりに受け取るに過ぎませんから、預金口座への振込金の該当するものであっても受取書に消費税等の金額が区分記載されていて、次のいずれにも該当する場合は当該消費税等の金額は記載金額に含めないと取り扱われます。

  1. 金融機関等の窓口等に電力会社等が作った領収書等(様式が当該電力会社等の窓口で支払場合に使用するものと同一で、消費税の金額が明らかに区分されているものに限る)を持参して支払うことになっているもので、金融機関等は単に当該領収書等に領収済印等を押して支払者に返すことになっているもの。
  2. 請求書または1.に支払場所として記載されている金融機関等で収納するもの。

MPNを利用してATMから現金支払いする場合、領収済印を押した領収書等を返されることはありませんが、MPNを利用した料金等の入金方法やATMから出る利用明細票の記載内容を考え合わせると、収納機関が作った領収書等に領収済印等を押したものと同じであるという考えができますから、利用明細票に消費税等の金額が区分掲載されている時、消費税等の金額は起算金額に含めないことができます。


なお、収納機関が共同利用センター(当該収納企業に対して料金等の支払債務を負担する弁済金を、企業に代わって受領すること、受領した収納金を収納企業に引き渡すこと、MPNの利用に関するデータの中継や受け渡し契約を契約した企業)である場合、収納機関が一般事業会社に対して立て替えを行ったクレジット会社や債権譲渡を受けたファクタリング会社である場合は、例え利用明細票に消費税等の金額が分かれていなくても、記載金額に含めることはできません。